来日アーティストのライブに、ほぼ毎月出かけた2019 年。
各会場の座席からの見え方と、ライブの感想を、初心者目線ですが、お伝えします。
第5回目は、ボズ・スキャッグスです。
2019年の日本ツアー、この日は3日連続の東京公演中日、5月8日(水)です。
クリストファー・クロスと日程がダブっており、ちょっと悩んだのですが結局両方行ってしまいました(笑)。チケットを買ったのが遅く今回は2階席です。ボズのライブは1991年のNHKホール以来。月日が経ち74歳になったボズと再会するわけですが、すっかりおじいちゃんになっているのでは……オリジナルのキーで歌ってくれるんだろうか? などなど一抹の不安を感じながら会場へ。
2階席からの見え方
残念ながら今回は自前の写真がないので、ホールの公式ページの写真をお借りします。下の写真はおそらく1列目から撮ったものでしょう。私は3列目だったので、もっと遠く見えました。このホールの2階席に初めて座りましたが、一言で言うと「ステージがすごく遠い……」。
そのため、ビジュアルの印象があまり残っていません。
ホールによっては、1階後方より2階席のほうが見やすい場合もあります。たとえば三軒茶屋の昭和女子大人見記念講堂2階なんてびっくりするほどステージが近い。詳しくは ↓
昭和女子大 人見記念講堂1階、2階からの見え方【ナイト・レンジャー 2019】
しかしここは……。
このライブの後、改めて座席表と下の写真を見て、その理由がよく分かりました。会場の形が細長く、2階正面席はかなり奥まっています。2階1列目が大体1階席の30列目の位置です。私は2階3列でしたので、1階の33列目くらい。さらに高さがあるので、ステージが遠く感じるのも無理はありません。
ライブの構成はキラキラ&ブルース
この日は『シルク・ディグリーズ』を中心としたAOR時代のキラキラした曲と、ブルース・ナンバーを組み合わせた構成でした。私にとってボズは、’80年代のスタイリッシュでメロウなイメージが強いので、この日のブルースはかえって新鮮でした。特に印象に残ったのが、“Loan me a dime”です。10分以上の長尺ですが、聞き惚れました。絞り出すようなボーカルに泣きのギター、たまりません。永遠に聴いていたかった。
やっぱりもうちょっと近い席で、演奏しているところもしっかり見たかったです。
もう1曲、忘れられないのは“Breakdown Dead Ahead”。『ミドル・マン』世代ですから!
1度目のアンコールで登場したボズは、“I’ll surprise you.”だったか、“You’ll be surprised.”だったか忘れましたが、とにかく「この曲を聴いたらびっくりするよ」とお茶目に一言。「何なに??」 と思った瞬間、印象的なイントロが始まり、私は席から飛び上がりそうに。
中腰にはなったものの、後ろを見たら誰も立っていないので、立つのは自粛しました。2階ですしね。
ところが驚いたことに、下を見ると、1階席でも立っている人が1人しかいなかった。後ろに遠慮したのか、そんな元気がないのか。
これには本当にガッカリしました。アンコールだし、70代のボズがあんなにノリノリでシャウトしてるのに。
ともかく、絶対やらないだろうと思っていた1曲だったので、本当にうれしいサプライズでした。
前進し続けるボズ
ボーカルが衰えているんでは…という不安は、杞憂に終わりました。声の伸びも素晴らしく、ルックスもあまり変わらず、衰えをまったく感じさせない。”We are all alone”だってオリジナルのキーだった(と思います)。
帰宅後“Loan me a dime ”について調べてみたら、1969年のアルバム『ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン』に収録されていました。当時まだボズは25歳。音源を聴いてみたら、当然ですが、ボーカルが少し青いです。
ライブでは70代ならではの深い味わいがあったと感じます。ボズにとって音楽の原点はブルースであり、その原点に回帰し2018年に発表したアルバム『OUT OF THE BLUES』は、グラミー賞にノミネートされました。
70代半ばになっても、懐メロライブでなく(それだって十分ですが…)前に向かって進み続けるボズは、音楽の求道者に思えます。
ライブのまとめ
料金:S席13,000円
演奏時間:100分くらい(うろ覚えです)
男女比:6:4(ざっと見の印象。熟年カップル多し)
セットリスト
- JoJo
- It’s Over
- Rock and Stick
- The Feeling Is Gone (Bobby “Blue” Bland cover)
- I’ve Just Got to Know (Magic Sam cover)
- Radiator 110
- Georgia
- What Can I Say
- Look What You’ve Done to Me
- Lowdown
- Lido Shuffle
●アンコール1 - Breakdown Dead Ahead
- Loan Me a Dime (Fenton Robinson cover)
- You Never Can Tell (Chuck Berry cover)
●アンコール2 - Thanks to Yo
出典:setlist fm.
来日メンバー
テディ・キャンベル(Drums/Vocals)
ウィリー・ウィークス(Bass)
マイケル・ローガン(Keys/Vocals)
エリック・クリスタル(Sax/Keys)
マイク・ミラー(Guitar)
ブランリィ・メヒアス(Percussion/Vocals)
※グレッグ・ウィエクゾレック(Percussion/Vocals)から変更(4/26)
出典:ウドー音楽事務所公式ページ