各劇場からの見え方と、ライブや作品のレビューを素人目線でお伝えしているシリーズ、今回は「Mr. Jimmy」が上映されている新宿駅前のシネマカリテ スクリーン2です。
驚きの超駅前!
JR新宿駅の東南改札を出て、広場に続く階段を降り左に曲がるだけ。新宿NOWAビルの地下にあります。

映画館が入っている建物には、普通目立つ場所に映画ポスターが貼ってあったり、映画館の看板が出ていたりするものですが、シネマカリテには「ここに映画館があります」アピールがありません。
うっかり通り過ぎてしまいました。

小さな入り口から地下に下ります。

こぢんまりしたロビーのあるシネマカリテに到着。劇場内に飲食の持ち込みはできないと思い、新宿駅のカフェで慌ててコーヒーを飲み干してきたのですが、こちらは基本的に持ち込み自由だそうです。珍しいですね。
発券機にネット予約時のQRコードをかざし、暗証番号入力。
予約したC-6のチケットが出てきました。

スクリーン2(78席+車いす1席)
座席表:シネマカリテ公式ページより
C-6からの見え方

前のほうで見るのが好きなので3列目にしました。
ご覧のとおり、少し上にスクリーンがありますが、最後まで疲れることなく、とても快適でした。
シートに体をゆったり預けていれば、楽な姿勢でスクリーンを見上げることができます。
上の写真の茶色の丸は、2列目のお客さん(男性)の頭の位置です。列ごとに席配置をずらしてあり、前のお客さんの頭で見づらいということもなく、とてもよく見え方に配慮されているシアターだと感じました。
ロックファンに絶対観てほしい『MR. JIMMY』

ロックファン&テレ朝の『激レアさんを連れてきた。』が大好きな私には、めちゃめちゃ面白い映画でした。
ミスター・ジミーの徹底的なこだわり
ミスター・ジミーことジミー・桜井さんが、ジミー・ペイジになりきるための徹底的なこだわりを見せるところから映画は始まります。ギターのピックアップやアンプ、ステージ衣装など、その道の職人さんとのやりとりが興味深い。
しかも、ジミー・ペイジご本人が評判を聞きつけ、日本のライブ会場に現れるというところで映画が終わるのかと思いきや、そんなものは序盤に過ぎない。
奥様の後押しもあって渡米し、本格的にライブ活動を始めるところからが見ものなんです。
桜井さんの完コピへの徹底したこだわりと、ビジネスとして成立するかどうかを重視するメンバーとの食い違い、『スパイナル・タップ』でも出てきたような逸話がちらほら…。
私はレッド・ツェッペリンに関しては代表曲くらいしか知りませんが、『レッド・ツェッペリン/狂熱のライブ』を高校生の時フィルム・コンサートで観ていたので、バイオリンの弓を使った奏法だとか、ライブの雰囲気だとかは覚えていました。
ツェッペリンやジミー・ペイジのファンの方なら、桜井さんのギターのフレーズやアクションがどこまでソックリか、そして他のメンバーのどこが本家とはちょっと違うか、などのディテールがもっと楽しめると思います。
映像の美しさが印象的
てっきり日本人監督が撮った作品だと思っていたら、そうではありませんでした。
製作・監督・編集を手がけたのはアメリカ人のピーター・マイケル・ダウドです。
桜井さんの故郷は十日町紬で知られる新潟県十日町。
乾いた空気を感じさせるアメリカでの映像の間に、ふるさとに帰った桜井さんが雪景色のなかたたずむ様子など、美しい日本の景色が時折はさみ込まれています。
特に印象的だったのが那須高原の緑や花に囲まれたコテージでアコースティック・ギターを弾くシーン。美しいんですよ~。演奏も映像も。
世界的ギタリストのソックリさんなわけですから当然なんですけど、まあギターのうまいこと。
ロックギター好きとしてはそれだけでも十分楽しめました。
その昔バンドで演奏したことのあるRememberの1節がちらっと出てきて、にんまりしました。

自分を消してとことんコピーにこだわる。その意志を貫いたジミーさんに吉報が舞い込みます。
『意志あるところに道は開ける』。私の大好きな言葉を地で行った桜井さん、天晴れです。