シャンプーを使わず、お湯だけで髪を洗う「湯シャン」が、ナチュラル志向の方の間で静かなブームと知り、私もトライしてみました。あえなく12日でギブアップしましたが(^^;)、たくさんの発見があり、それ以来、髪の洗い方がすっかり変わりました。湯シャンでどんな発見があったのか、ご参考までにまとめてみました。
目次
私の髪・地肌・洗髪のデータ
○髪質・髪型: 細い、量は普通、肩ぐらいのミディアム
○髪の悩み: 細すぎてボリュームが出ない。直毛すぎる
○地肌の悩み: 額の生え際近くにかゆみが出て、乾いたフケが出やすい
○使っているシャンプー: ドラッグストアで買えるごく一般的な商品
○シャンプーの頻度: 入浴する度に洗う(週に4~5回くらい)
湯シャンを試した理由
- ほんとうにシャンプー剤は必要なのだろうか?
- 毎年秋から冬にかけて地肌がカサカサするのは洗いすぎなのでは?
- 大きなボトルをバスルームに置きたくない。
シャンプーを使って髪を洗うことに、それまで一度も疑問を感じたことがありませんでした。物心ついた時は、すでに母にシャンプーで髪を洗ってもらっていましたし、美容院で髪を洗ってもらう時も、シャンプー→トリートメントという流れですよね。私にとってシャンプーを使うことは「当たり前」だったのです。
ですから「湯シャン」という概念を知って、目からうろこが落ちるようでした。
実施時期と方法
実施時期→2019年の3月。
手順→まずガイコツブラシでしっかりブラッシングし、抜け毛を取り去り、汚れを浮かせておく。お湯でしっかり髪を濡らし、地肌を指でていねいにこすり洗いし、髪も根元からしっかり洗い流す。洗髪の間隔は2日に1回、週に1度習い事で外出する前日だけは、香りのよいシャンプーで洗い、気分転換する。
ギブアップした理由
12日であきらめた一番の理由は「脂っぽいフケ」です。
外出する前に、念のため頭頂部を鏡で確認したところ、白い大きめなのが髪の根元にくっついていました。慌てふためいてつまみ取ろうとしたところ、取れないのです。脂でこびりついていました。(汚い話で恐縮です…)
私は小柄なので、背の高い人からは頭頂部が見えてしまいます。もしかして、それまでの数日間もこんな状態で、誰かに不快感を与えたかもしれないと思うと続ける気が一気に失せました。
ベタつき感も日に日に増し、ぺったりのぺったんこです。5日目くらいから匂いも気になり始めました。私は鼻が効くので、余計にそう感じたのかもしれませんが、不快でした。
湯シャンを経て知ったこと
2週間に満たない期間ですが、試してほんとによかったです。多くの発見がありました。
パーマをかけている髪には不向き
髪がサラサラと指通りよくなるのも、シャンプーやトリートメントに含まれている髪をコーティングする成分のお陰なのだと初めて知りました。なんとなく、湯シャンで髪がサラサラするのではと思っていましたが実際はまったく逆で、ゴワゴワ、バサバサになりました。私はパーマをかけているので、手入れしない自然な状態だと、こうなるということですね。
皮脂のコントロールがポイントだと知った
頭の脂というものを強く意識するようになりました。
皆さんには、こういう経験はないでしょうか? 風邪を引いて寝込み、数日ぶりに入浴した時、体にロウのようなねっとりした脂がついていて驚いたことが。
頭の脂もまったく同じです。頭皮のほうは、指の腹を使ってこすり洗いしたせいか、さほど不快ではなかったのですが、厄介なのは髪の根元です。脂が取れませんでした。
余談ですが、花王のウェブサイトに興味深い記述がありました。
昭和の戦後(1950年)頃まで、洗髪頻度は平均月1-2回。洗髪頻度が週2-3回になるまではどうしていたでしょうか?クシやブラシでとかすことで対処していたと考えられます。(中略)髪に移した皮脂は髪を整え束ねるのにも活用されていました。
花王のウェブサイト「洗髪の歴史」より
1950年代までは月に1~2度しか髪を洗わず、頭皮の脂は髪を結うために使われていた! なるほど、昔の女性が皆、髪を結い上げていた理由が分かりました。
湯シャン後、洗い方を変えました
まず、洗髪の回数が減りました。汗をかく季節は別として、2~3日に一度で気にならなくなりました。
手順は、ガイコツブラシでしっかりブラッシングし、しっかりお湯で髪の根元まで濡らすところまでは湯シャン時と同じです。
地肌と髪の根元は石けんとシャンプーで
地肌は、指の腹に固形石けんを少しつけて、フケの出やすい生え際と頭頂部を中心にざざっと軽く洗うことにしました。
次に髪の根元は、一番ベトつきが気になるところです。頭皮にも近いのでここは素材のよいシャンプーを使い、手ぐしでとかすように洗います。髪の根元部分だけですから、シャンプーはごく少量しか使いません。そのため、あまりお値段を気にせず高級品を選ぶことができます。
試しに「オブ・コスメティックス ソープオブヘア」のトラベルサイズを買ってみたところ、2カ月もちました。
ドラッグストアで購入しているシャンプーは、480mlで711円(税込)なので、1mlあたり1.48円です。対してソープオブヘアのほうは、60mlで990円(税込)なので、1mlあたり16.5円。つまり単価は11倍! それでも2カ月もつなら私としてはOK。使いすぎが防げてかえっていいと思います。このシャンプーは香りがよく、容器もおしゃれで気に入っています。
こちらの商品は、実のところ「トラベルサイズのあるナチュラル系のシャンプー」という条件で探したら、あまり選択肢がなかったため選んだものでした。改めてブランドのホームページを見ると、高いだけあって、材料の質にかなりこだわって作られた商品です。
ひとにやさしい成分だけを使ったソープですから、洗顔剤としても使ってください。ボディソープにも使ってください。
http://www.ofcosmetics.co.jp/aboutus.html
髪のことを一生懸命考えてつくったら、全身に使えるソープになっていました。
“刺激性の強い界面活性剤”を排除し、洗顔にも使えるシャンプーなんですね!
でも…私は経済性を考えて、これからも頭皮には洗顔石けんを使おうと思います。
根元以外はその日の状態に合わせて洗う
根元以外は、基本的にお湯で流して、トリートメントをして終わり。
整髪料をつけた日は、気軽なお値段のシャンプーを使って整髪料を洗い流し、トリートメント、という手順です。トリートメントをする理由は、パーマのパサつきを防ぐためです。
シャンプーのイメージに縛られていたことに気づく
たっぷり泡立てて、髪全体をくしゅくしゅ洗う。「シャンプー」にはそのようなイメージがありませんか? CMにもそういう映像が出てきますよね。
でも、スタイリング剤を使わないなら、毎日シャンプーで念入りに髪全体を洗う必要はないことに気づきました。頭皮近くの皮脂のコントロールだけで十分です。実際、上記の花王のサイトには、日本人が毎日洗髪するようになったのは、1990年代半ばから、と書かれています。
かゆみとフケが出なくなった
自分なりの洗い方を始めてから、頭皮の調子は上々で、フケやかゆみはなくなりました。やはり習慣的に、以前は洗いすぎだったのです。
頭皮を石けんで洗う理由は、「洗顔の延長」と考えてのことです。私はもともと乾燥肌で、顔の洗いすぎには気をつけてきました。ですから、額の生え際がカサカサしてかゆいなら、顔と同じように石けんで洗ってみようと思ったのです。眉毛にシャンプーを使う人はいませんよね。それと同じです。私には合っているようです。
私は普通の固形石けんを使っていますが、「シャンプーバー」など固形シャンプーも出始めており、これからはシャンプーのスタイルが多様になる気がします。
まとめ
髪がやわらかくコシのない人は、脂でぺっちゃんこになりやすく、湯シャンは向かないと思いました。それにパーマをかけた髪はダメージを受けていますから、お湯だけできれいに保つのは不可能です。
湯シャン体験は、シャンプーをたっぷり使って毎日のようにガシガシ髪を洗う、という方法を改め、自分の体質や生活スタイルに合わせて最適の洗い方を考えるよい機会になりました。皆さんも自分の髪質に合うシャンプーの仕方を知るために、一度湯シャンを試してみるといいかもしれません。
*追記
2021年5月現在、洗髪の間隔は変わりませんが、美容師さんの勧めで頭皮に石けんを使うのはやめました。そのベテラン美容師さんには、ブラッシングしながら「もしかして石けん系使われてます?」と言い当てられてしまいました。ブラシに白い綿ぼこりような石けんカスがたくさんつくと同時に、髪がきしむのですぐ分かるそうです。
髪がきしむとブラッシングで抜けやすくなるので、髪のボリュームを気にしている私の場合向いていないのではとのことでした。「安物でかまわないので、どうかシャンプーで洗ってください」とおっしゃるので、ヘアの専門家の言葉に素直に従うことにしました。
石けんは、ごくごく少量指につけて使っていただけなのに、それでもカスが残るという事実に驚きました。今は髪の根元と同様、ナチュラル系のシャンプーをほんの少し使って頭皮を洗っています。