ホール客席からの見え方と、海外アーティストのライブを素人目線でレビューするシリーズです。
今回は、ドゥービー・ブラザーズ結成50周年リユニオン・ツアーが行われたパシフィコ横浜・国立大ホールについて書いてみたいと思います。
ため息が出るほど美しい海辺のホール
1994年の開館ですが、今まで縁がなく初めて向かいました。
みなとみらい駅からの行き方は、改札を出て「クイーンズスクエア横浜」の恐怖を感じるほど長いエスカレーターで2階に上がり、連絡通路を進むだけ。
所要時間5分ほどで、方向音痴の私でも迷わずたどり着けました。

ホールの建物に近づくと、階段を降りて海に向かうようスタッフに促され、もうここでびっくり。
私、遊覧船に乗りたいわけじゃないんだけど…。(゚д゚)

なんと、階段を降りて左に進むと海に面したエントランスがあるんです!
次回パシフィコに行く時は、うんと早めに家を出て、みなとみらいを散歩してから行こうっと。

マリンブルーの絨毯が敷かれた広いロビー。物販に、長蛇の列ができていました。

ホール1階の入り口がある2階ロビー。ここから海が一望できる! こんなに美しい景色が眺められるホールは初めてです。

当日のステージ配置と1階座席
座席データ
パシフィコ横浜・国立大ホール(国立横浜国際会議場)
最大:5,002席(1階席3,260席、2階席994席、3階席748席 可動席含む)
●左右端のブロックを除き、1ブロックは1列12席。
●一番席数が多い列は24、25、35、36列の1番~80番。
●ステージセンターは40番、41番。
●真ん中通路の前(A)は1列~28列。通路後ろ(B)は29列~47列。
この日は、
●1列目~8列目にはステージがあり、最前列は9列目。
●ステージ幅はセンターの隣のブロックまでしかなく、青い星より左右は機材。

1階だけで約2500席
1階のキャパは、前方の可動席を除くとおよそ2500席。横にも縦にも大きいホールという印象です。
47列もありますので、最後列となるとかなりステージが遠く、中ほどに吊り下げ式のモニターが欲しいなあと思いました。
全体的に勾配が緩く、総立ちになると、恐らく後方席は見づらいと思います。





↑ 座席表の緑の星印の位置から撮影。ここに立ち入り禁止の看板が立っており、ここより前は見切れるため販売されていないようでした(どこからどこまでか、範囲までは把握できませんでした)。
ボケた写真で分かりづらいと思いますが、確かにこの辺からだと、上手の少し奥まった所に座っているマイケルは見えません。
なんとセンターブロック5列目でした

↑ 私は座席表の赤い星印のところに座りました。UDOプレミアム会員の予約開始時刻に購入。今までなかなか良席にあたらなかったのに、今回は幸運でした。
こんな広いホールなのに、数日前のビルボードライブ東京と同じくらい、頑張れば私でも3歩でステージに着けそうな距離です(余談ですが、ドゥービーもPlaying for change のメンバーです)。
開演前、上手の袖にいるスタッフが見え、その中にスーパーマリオのようなおひげの、赤いTシャツのおじさんがいました。
もしや、と思ったら、やっぱりトムでしたw

開演すると、目の前にギターのジョンがおり、何度も目が合い恥ずかしくて目をそらしたりして…(たぶん思い込みだけど、そういうことにしとこうw)
細かい表情やギターの手元までよく見え、演奏の迫力がダイレクトに目にも伝わってきます。良席に座れた幸せを噛みしめました。
50年の歴史が詰まった2時間
コロナの影響か、ここのところ90分ほどで終わるライブが多かっただけに、2時間越え、25曲も演奏してもらえたのが、まずうれしかったです。
ファーストアルバム1曲目の”Nobody”(1971年)で幕が開け、最新アルバム「リベルテ」(2021年)まで網羅された充実のセトリ。なんせトム時代とマイケル時代の曲が両方一度に聴けるんですから。50年という長いキャリアで蓄積した技と経験を、「俺たちの生きてきた道、どうよ?」と見せつけられたような、大御所の余裕を感じさせる堂々たるステージ。私は心から感銘を受けました。
実は超メジャーな曲くらいしか知らずに行ったのですが(恥)、トリプルギターのアレンジや、マイケルのファンキーなピアノ、魅力的なリズム隊、泣きのサックス! 何もかも好みですっかりファンになりました。
三者三様のボーカル
男っぽいトム、優しくて癒やされるパット、ソウルフルなマイケル。三者三様の個性が楽しい。
ベースのジョンを含めてリードボーカルを取れるメンバーが4人もいるので、コーラスのうまさは、今までライブに行ったバンドの中でダントツでした。あまりにきれいなので、「録音音源?」と、ムダにステージを見回してしまった。“Jesus is just alright”と“Minute by minute”のコーラスに、特にしびれました。
アレンジも緻密で凝っており、各パートのバラバラの音が、アンサンブルとしてひとつにまとまった時、とてつもなく美しい。まるでクラシックのオーケストラみたい。ギターのジョンは、ペダルスチールやフィドルまで弾くマルチぶり。こんなに職人気質で器用なバンドだとは知らなかった。。。
“Listen to the Music”の大合唱
ライブの締めくくりは、「いつだって音楽を聴こうよ」と歌う“Listen to the Music”の大合唱でした。
コロナ禍を経験した身には、この曲の明るさが胸にしみました。なんていい曲なんだ(涙)
ハッピーエンドの映画を見終えた時のような、幸せな幕切れでした。
70代半ば近い年齢などものともせず、すばらしい演奏を聴かせてくださったメンバーに敬意を表し、2枚組のベスト盤と、いつもならこっぱずかしくて買わないメンバーの写真入りTシャツを買って家路につきました。
しかし、帰宅後も興奮が収まらず、結局、千秋楽の広島公演にも出かけたのでした。
→広島上野学園ホールアクセスと客席からの見え方【ディープパープル/ドゥービー・ブラザーズ 2023】
公演のまとめ
日時: 2023年4月18日(火)19:00開演
演奏時間: 2時間強
料金: S席17000円
客の男女比: 8:2(ざっと見の印象です)
セットリスト
1.Nobody
2.Take Me in Your Arms (Rock Me a Little While) (Kim Weston cover)
3.Here to Love You
4.Dependin’ on You
5.Rockin’ Down the Highway
6.You Belong to Me
7.Easy
8.South City Midnight Lady
9.Clear as the Driven Snow
10.It Keeps You Runnin’
11.Another Park, Another Sunday
12.Eyes of Silver
13.Better Days
14.Don’t Ya Mess With Me
15.Real Love
16.World Gone Crazy
17.Minute by Minute
18.Without You
19.Jesus Is Just Alright (The Art Reynolds Singers cover)
20.What a Fool Believes (Kenny Loggins cover)
21.Long Train Runnin’
22.China Grove
アンコール
23.Black Water
24.Takin’ It to the Streets
25.Listen to the Music
setlist.fm より
来日メンバー
Patrick Simmons(パトリック・シモンズ) – Guitars/Vocals
Tom Johnston(トム・ジョンストン) – Guitars/Vocals
John McFee(ジョン・マクフィー) – Guitars, Pedal Steel, Dobro, Fiddle, Vocals
Michael McDonald(マイケル・マクドナルド)- Keyboards/Vocals
John Cowan(ジョン・コーワン) – Bass/Vocals
Marc Russo(マーク・ルッソ) – Saxophone
Ed Toth(エド・トス) – Drums
Marc Quinones(マーク・キニョーネス)-percussion
資料:Doobie Brothers オフィシャルサイトほか