ハードロックは大好きでも、メタル系のライブは年齢的に抵抗があった私。
しかし! 遂に一線を越え(笑)マイケル・シェンカー・グループの公演に行ってきました。
会場は来年閉館が決まっている中野サンプラザです。
中野駅に降りるのもサンプラザに行くのも初めてのお初尽くし。
男だらけの会場で、果たしてステージは見えるのか?
完全素人目線のライブレポです。
目次
中野駅北口から
徒歩1分と書いてあるので、駅前にどーんとそびえていると思い込んでいましたが、駅前には商店街しかなく、案内版も見当たらず。仕方なくスマホを取り出し検索。
駅前を左に進むと斜め前に見える病院みたいな建物、あれのようです(徒歩1分では着かないような。)
ビルの手前にくっついてる三角形の滑り台みたいなものは何なのでしょう。進んでみました。
わー、人がいっぱい。
広場にはベルがたくさん付いたメルヘンチックな時計台がありました。昔の「なかよし」や「りぼん」をなぜか連想してしまう、70年代らしい可愛らしさ。
今は無き広島の郵便貯金ホールを思い出します。(*2023年追記。名称が変わっただけで健在でした。<(_ _)>)
1973年開業なだけあり、そこここに懐かしさを感じました。
女性がいない…
入場列に並びました。予想はしていたものの思っていた以上に女性が少なく、この日ばかりはさすがに恥ずかしかった。
革ジャンにリベットみたいなメタラーばっかりだったらどうしよう、スカートはやめとくか、とか、勢いでチケット買った後になって、あれこれ考えてしまいました。
でも思ってたより皆さん普通でホッとした。
外国じゃあるまいし、考えすぎか(笑)
滑り台みたいな出っ張りの中は、殺風景なまでに広いエントランスホールと階段になっていました。ソテツのような観葉植物も郷愁を誘います。
階段をのぼるとホールの入り口です。左右に売店があり、ガラスケースの中にコアラのマーチなどが少し寂しげに置いてあります。お酒の販売はありません。“滑り台”部分の壁にぐるりと回廊があり、そこで物販をやっていました。
トイレに行くとずらりと個室が並んでいるのに、ガラガラです。こんなに女子トイレが空いてるなんて、高速道路のサービスエリアに深夜立ち寄った時くらいです。
段差の緩やかなホール
いつもと違う雰囲気に動揺しまくり、ほとんどの写真が手ブレ。(笑)
1階の一番後ろから撮ってもこんな感じで、ステージが近いです。
勾配はあまりありません。
上の写真では客席をぼかしているので位置が分かりづらいと思いますが
下の座席図の青い星印から両側にはカーテンが下がっています。
○○リサイタル風の金色のカーテンとメタルのライブ。
何とも言えないミスマッチ感があります。
わお! マーシャルが壁みたいに並んでる。
今まで見たことのない男くさいステージセット。タペストリーの黒地に赤のマークは暗黒感があってかっこいいですね。
この日は24列目やや下手
私は座席表の赤い星印のあたりに座りました。場内が暗くなると総立ちに!
2列前に長身の方がいて、センターは見づらかったのですが、
両サイドはお客さんの間からよく見えました。
マイケルもバッチリでした。
ずっと上手にいるマイケル
’84年のスコーピオンズの公演があまりにかっこよくて衝撃を受け(ギターはルドルフ・シェンカー)いつかマイケル・シェンカーも生で観たいと思っていました。
スコーピオンズに一緒に行った女友達は、その少し前に開催されたマイケル・シェンカーの公演にも行っており、「ずっーと下を向いたまま、ふてくされた顔でギターを弾いてるマイケルがシブかった」と大学の部室でモノマネしていたのを覚えています。
そんな思い出から40年近く経過し、この日初めてお目文字いたしたマイケルは、その友達のモノマネそのままでした。
いや、ふてくされてなどいませんでした。“Thank you”と明るくあいさつをし、始終ニコニコしながら楽しそうにギターを弾いているのですが、ほとんど移動せず、ずっと上手側におられます。
フレットを押さえる左手のほうを常に見ているので、どうしても体はやや左向きになります。
しかも、中腰のままヨチヨチ、ヨチヨチと左手のほうに移動されることが多く、「ああ、それ以上行くとカーテンの中に入っちゃうよ」と何度か突っ込みたくなった(笑)
通常のライブはセンターが良席ですが、右端に近い席がギターキッズにとっての良席でした。
もはやギターではなかった
スコーピオンズやマイケル・シェンカーが好きなのは、ヘヴィーでもメロディアスだから。
ナイト・レンジャーが長調ならこちらは短調ですが、きれいな曲が多い。
「ドクター・ドクター」には胸が締め付けられます。
マイケルのギターは、私の知っているギターとは違いました。もちろん音はメタル系なので歪ませているのですが、その奧の音がとてもクリアで美しい。あんなに難しい楽器なのに、速いフレーズでも1音1音がよどみなく太くはっきり聞こえ、しかも歌っている。押せば簡単にきれいな音の出る楽器のようであり、自由自在に表現できる歌声のようでもありました。
だから神なのか。生で聴けて本当によかったです。
もはやボーカルではなかった
もう1つ、驚いたのがロニー・ロメロです。
マイケルに紹介され、2曲目にさっそうとステージに飛び出してきたロニー。
今まで聴いたことのないような声でした。
たとえるのは難しいけど、あえてたとえると、雲間から差し込む神々しい光のよう。
ハイトーンで遙か彼方まで響き渡るかのようなビブラートも、人の声ではないようでした。
ずいぶん前、バンドものと聞いて観に行った映画「BECK 」では、佐藤健演じるコユキが歌うシーンになると、映画が無音になることに賛否両論ありました。「神の声」を持つボーカルという設定なので、どんな歌声かは観客の想像力に委ねるという演出だったわけです。
帰宅する途中、そのシーンを急に思い出しました。神の声を持つボーカルってこういうことを言うんではないかと。
観客のあおり方やステージングが堂に入っているけどまだ41歳なんですね。
ロニー、すばらしいです。。。
パワフルなドラムは、空腹のお腹を蹴られるようでこたえました。シンプルな編成なのに音が太くて、タイト。それぞれのミュージシャンの技術の高さがよく分かりました。
中野サンプラザ公演は2夜とも売り切れでした。
ヘヴィだけど曲は聴きやすいし、演奏もすばらしいです。既に次回が楽しみです。
ぜひ女性もどうぞ。
ライブのまとめ
公演日時 2022年11月21日(月)19時
チケット S席 13,000円 (ネットでの購入時に席番表示がありました)
公演時間 1時間30分
客の男女比 13:1 (ざっと見の印象)
セットリスト
- Into the Arena
- Cry for the Nations
- Doctor Doctor (UFO cover)
- We Are the Voice (Michael Schenker Fest cover)
- Looking for Love
- Red Sky
- Sail the Darkness
- Emergency
- Lights Out (UFO cover)
- Armed and Ready
- Assault Attack
- Rock Bottom (UFO cover)
- Shoot Shoot (UFO cover)
- Let It Roll (UFO cover)
- Natural Thing (UFO cover)
- Too Hot to Handle (UFO cover)
- Only You Can Rock Me (UFO cover) setlist.fm より
来日メンバー
・マイケル・シェンカー/Michael Schenker – Lead guitar
・ロニー・ロメロ/Ronnie Romero – Vocals
・スティーヴ・マン/Steve Mann – Guitar/Keyboards
・ボド・ショプフ/Bodo Schopf – Drums
・バレンド・クルボア/Barend Courbois – Bass
東京音協公式サイトより