以前このホールのアリーナ席とステージサイド席について投稿したので、今回はボズ・スキャッグスのライブで座った2階スタンドからの見え方と、公演の感想について書いてみようと思います。
ホールのコインロッカーやドリンクについても雑感を書いたので、ご参考になれば幸いです。
目次
入場時にドリンク代が必要でした
現金のみで500円。以前は不要だったのですが。
入り口でメダルをもらい、ドリンクカウンターで引き換えます。
アルコール類はレモンサワー、生ビール、ハイボールがありました。
いわゆる野球場のビールサイズではなく、小さいカップなので、私的には飲みきれる量でちょうどよかったです。
というのも、席にカップホルダーがないので、倒す不安を抱えながら足元に置くか、でなければカウンターで立ち飲みするしかない。
ソフトドリンクのペットボトルに換えている方も多かったです。
コインロッカーが小さいぞ!
この日は実家から新幹線で慌てて帰ってきて、開演まであまり時間がなかったため、大きな荷物を持ったまま会場に入りました。
ホール内にコインロッカーがあると公式サイトに出ていたので、スタッフの案内どおりにアリーナ階に預けに行ったところ、パソコンを入れたリュックが収まるサイズのものはありませんでした。
スタンディングで観る時のコートや貴重品用でしょうね。
スタッフにもう少し大きいサイズのロッカーがどこかにないか質問したのですが、ないというお答えでしたので、やむを得ず席に持ち込みました。
しかし帰宅後にホールの公式サイトを再度確認すると、もう少し大きいロッカーの写真が出ていました。おそらく第1バルコニー階のロッカーだと思います。
キャリーバッグのような、大きな荷物用のロッカーはホールの外にありました。
公式サイトの情報をもう少し充実させてほしいものです。
第二バルコニーL側2列目に座りました
今回はチケットぴあの一般発売で、席番を確認しながら購入。座席表の赤の星印の位置に座りました。
位置がホールのコーナー辺りなので、ステージ上手側のメンバーや、奥まったところに立っていたベースのウィリーの手元は見えませんでした。
それでも、ステージにとても近く、通常のホール2階席に比べると高さがないので、見下ろす感じでもありません。
とても見やすく、TDCの2階バルコニーは超オススメです。
段差も十分
1列ごとに、15センチほどの階段3段分段差があり、勾配が急です。1列目前の手すりがすごく低いので、ちょっと怖い感じがしました。席の幅と前後間隔は本当に狭く、コートやバッグでかさばる冬場は、移動するだけでも大変です。
ブルースとAORの振り幅
2月19日、21日、22日(追加)と計3日間行われた東京公演は、立ち見が出るほどの大盛況でした。
前回のツアー同様、セトリは2018年発売の最新アルバム 「アウト・オブ・ザ・ブルース」と、ボズの代表作「シルク・ディグリーズ」からのナンバーを中心とした構成でした。
演奏される曲のタイプがブルースとAORと真っ二つに分かれており、イントロの音色が土ぼこりの舞う大地と、都会の夜空みたいに好対照で面白かった。
2019年の来日公演についてはこちら ↓
オーチャードホール2階席からの見え方【ボズ・スキャッグス 2019】
高校生の時「ミドル・マン」を聴いてファンになった私には、ボズ=都会の洒落男みたいなイメージしかなかった。なぜ今ブルースなのか興味があり調べてみたところ、今回セトリに入っていたボビー・ブランドのFeeling is Goneについて、ボズが次のように語っている記事が見つかりました。
But I couldn’t go there because I didn’t have the voice for it. But I feel like I can do Bobby Bland now. I finally feel like I’m delivering those songs with some small semblance of what I heard coming from him. I found a way to make it my own, as they say.
Boz Scaggs on Hating Yacht Rock and Rediscovering the Blues, Rolling Stone NOVEMBER 28, 2018
試訳しますと、「(十代の頃からボビー・ブランドの曲は鼻歌で歌ったりしていたが)以前の僕には彼の曲を歌う声がなかった。でも今は歌えると思う。彼の歌を聴いた時自分が受けた印象にわずかでも似たものを、自分の声で届けられる、やっとそう感じられるようになった。周りにも言われるけど、彼の歌を自分の物にするやり方が見つかったのさ」
そうか~。長年憧れていた音楽にやっと近づけたのが70代の今なんですね。
そんなボズのブルースの選曲は、ちょっと私的には渋すぎるものもありましたが、2019年の公演で聞き惚れたLoan me a dimeは、今回も最高でした。オーチャードホールの時よりステージがよく見えたので、ギターやハモンドのソロも堪能しました。
あの曲を歌ってくれた
昨年の米国内ツアーのセトリに入っておらず、来日ツアーでもやらないだろうと思っていた曲があります。We Are All Aloneです。
しかし私の予想は外れ、アンコールでボズはこの曲を歌ってくれました。
キーを下げて。
初日はショックで涙が止まりませんでした。前回の来日時はオリジナルのキーで歌っていたからです。自分の老いや衰えをボズは認めたんだな、と思うと複雑な気分でした。
私事ですが、最近では週単位でできないことが増えていく両親を目の当たりにし、老いや衰えを受け入れるのは、なかなか苦しいものだと知りました。
ボズはシンガーですから原曲のキーにこだわりもあったでしょう。それでも日本のファンのために歌おうとしてくれた気持ちが、とてもうれしかったです。
現役感は変わらない
こんなことを書くと、全然声が出なくなっているのかと思われるかもしれませんがそうではありません。
We Are… は特にキーが高いんですよね。
ほかの曲はオリジナルのキーのままだったと思いますし、変わらぬ艶のある声で燃えつきてやハーバー・ライトなども歌い上げ、80歳間近なんて信じられないほどでした。
今回とてもいいなあと思ったのが、Last Tango on 16th Street。
「サンフランシスコのオールドタウンについて歌った曲だよ」という紹介に続いて演奏されたこの曲は、バンドネオンならぬ鍵盤ハーモニカの音色が甘く切なく、都会の夜を思わせる素敵な曲でした。
子どもたちが使っていた鍵盤ハーモニカ、我が家にもあります! プロが演奏するとあんなに魅惑的な音が出るもんなんですね。驚きました。
チャリティーオークション
21日のMCで、今後の日本公演では毎回違うギターで演奏し、それらをオークションにかけて能登に寄付する、との発表がありました。
下記サイトにお知らせが出ています。 ↓
BOZ SCAGGS ボズ・スキャッグス 能登半島地震チャリティ・オークション実施について
2024年3月29日追記 : こちらのサイトでオークションが開催されています。 ↓
2017年10月、ナパバレーの山火事によって自宅が全焼するという災難にボズが見舞われていたことを、私は全然知りませんでした。ツアー用に持ち出していた楽器以外、器材や創作用のノートなどの音楽的財産がすべて焼失してしまったそうです(上の雑誌記事で知った)。
自身のことについてはライブで一切触れなかったけど、被災の苦しみを知っているからこその行動ではないでしょうか。
ボズの温かい気持ちに応えたいし、少しでも何かの役に立てばと思い、「ボズ募金箱」(フロアごとに置いてほしかった!)にお金を入れて会場を後にしました。
公演のまとめ
日時: 2024年2月19日(月)、21日(水)19:00開演
演奏時間:2時間
料金: S席 16000円
客の男女比: 7:3(ざっと見の印象。以前より女性が少なかった)
セットリスト/2月19日(月)・21日(水)
1.Sierra
2.Miss Riddle
3.Last Tango on 16th Street
4.Jojo
5.The Feeling Is Gone (Bobby “Blue” Bland cover)
6.I’ve Just Got To Know (Jimmy McCracklin cover)…21日のみ
7.Slow Dancer
8.Rock and Stick
9.Thanks to You
10.It’s Over
11.Harbor Lights
12.Look What You’ve Done to Me/燃えつきて
13.Radiator 110
14.Somebody (Loan Me a Dime)
(Fenton Robinson cover)
15.Lido Shuffle
☆アンコール1☆
16.What Can I Say
17.Lowdown
18.We’re All Alone
☆アンコール 2☆
19. Breakdown Dead Ahead
Setlist .fmより
来日メンバー
Willie Weeks/ウィリー・ウィークス(Bass)
Mike Miller/マイク・ミラー(Guitar)
Michael Logan/マイケル・ローガン(Keys/Vocals)
Teddy Campbell/テディ・キャンベル(Drums/Vocals)
Eric Crystal/エリック・クリスタル (Sax/Keys)
Branlie Mejias/ブランリィ・メヒアス(Percussion/Vocals)
当日のメンバー紹介より